「火花」

 

火花 (文春文庫)

火花 (文春文庫)

 

好きこそものの上手なれ、とは昔からよく言うものだけれども、一日のうちいくらかの時間を割く程度では、四六時中そのことを考え続けている人間には追い付かない。ましてや、考えようと思って考えているのではなく、もはやそういうものだと信じている阿呆にはどう逆立ちしたところで勝てない。

だけれども、ではそれが世の中に受け入れられるかどうかという話はまた別にあって、あまりに尖りすぎていると世の中には受け入れられないこともある。

プロとは何か。について少し見えたような気がする。

漫才は面白いことを想像できる人のものではなく、偽りのない純正の人間の姿を晒すもんやねん。つまりは賢い、には出来ひんくて、本物の阿呆と自分は真っ当であると信じている阿呆によってのみ実現できるものやねん。